アンドレ・ヴィレールの写真に「制作現場の雰囲気が出ていて面白い」と語る横尾尚さん=佐賀市の県立美術館

■写真家 横尾尚さん(佐賀市)

生き生きした写真多い

 作品を見て回るとまずピカソはやっぱり天才だなとあらためて思う。具象も抽象もインパクトがある。

 被写体としてとらえられたピカソの写真が並ぶが、ヨーロッパはライカやローライなどのカメラメーカーが生まれた土地。ピカソを含め、カメラを使っていた画家もいたんだと思う。

 ピカソの写真は生き生きしたものが多い。こういう写真を撮ったカメラマンとは深い交流があったはずで、ちょっと会ったぐらいでは難しいだろう。1枚選んだのは、アンドレ・ヴィレール(1930-)のアトリエで撮ったと思われる写真(1958年)。あまり見ることのできない制作現場の雰囲気が出ていて面白い。ある意味ピカソらしいとも言える。ピカソは若いアンドレと親交があったが、そんな関係が表れている。

 若いころからピカソの作品は本などで見ていたが、具象より抽象作品に引かれる。私も20代後半からは抽象表現を取り入れた写真を撮っているが、参考になることも多い。ピカソのアイデアには圧倒されるが、取り入れたい要素もある。佐賀の芸術家もジャンルを問わず見た方がいい。自分の作品のアイデアやインスピレーションにつながると思う。

 私は5年ごとに作品展を開いている。次は90歳になる年に予定していて先月から撮り始めた。ピカソ展を見て作品制作への意欲がわいてきた。そういう力がピカソの作品にはあると思う。

 「ピカソ展」は佐賀県立美術館で7月17日まで(月曜休館)。当日券は一般1200円、高校生以下無料。

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