異業種交流会で、ふるさと納税の返礼品受注業務などへのICT活用を呼び掛けた明日香園の担当者=佐賀市のホテルグランデはがくれ

 情報通信技術(ICT)産業の定着を図ろうと、佐賀県が2016年度から取り組む「やわらかBiz(ビズ)創出事業」。異業種企業との情報交換などでビジネスの可能性を探り、20年度までに50件の事業化を目指す。佐賀市を中心に民間企業による人材育成の取り組みも進んできており、本年度は金融機関との連携も模索している。

 「ふるさと納税の返礼品対応にICTを生かせないだろうか」。佐賀市で開かれたICT事業者との異業種交流会。ユリやケイトウを栽培する「明日香園」(藤津郡太良町)の営業担当者が投げ掛けた。

 JAや直売所に納品するのとは異なり、納税返礼品は受注の手続きから包装まで農家が行わなければならず、「収穫時期と重なって人手が足りず、生産数を制限せざるを得ないミカン農家もある」と担当者。ICTや人工知能(AI)を活用して省力化を図るシステムの構築を提案した。

 交流会では、文献のデジタル保存や歴史的遺構を3次元(3D)画像化する独自技術も紹介され、参加したIT企業経営者は「地域が抱える課題にクリエイターの技術を役立てられれば」と事業拡大の可能性を語った。

 12年度の経済センサスによると、人口千人当たりの県内のICT産業従事者数は1・4人。都市部への人材流出などで全国で2番目に低い。一方、近年は技術者の確保を目的に関連企業の県内進出が増えてきており、日本マイクロソフト(東京)や佐賀大とも連携して人材育成に力を入れている。

 「やわらかBiz事業」はこうした流れをさらに活発化させ、若者や女性にとって魅力的な就業機会を創出するのが目的。本年度は地元の金融機関と連携しながら、インターネットを通じて資金を募るクラウドファンディングの活用も促していく。県産業企画課は「県内企業が仕事を受注できる環境を整え、人材の定着につなげていきたい」と話している。

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