2回戦・鳥栖-龍谷 力投する鳥栖の主戦田中駿之介=みどりの森県営球場

 延長十三回2死二塁。鳥栖のエース田中駿之介がこん身の力で投げ込んだ194球目の直球がはじき返され、外野の芝にぽとりと落ちた。昨夏の王者龍谷をあと一歩まで追い詰めた末のサヨナラ負け。田中はぼうぜんとマウンドに立ち尽くした。

 この試合、田中は粘り強く投げた。走者を背負いながらも低めを意識してひたすら丁寧に投げ続け、容易に点を許さなかった。

 この力投にチームメートも応えた。初回、龍谷の左腕池田智浩の立ち上がりを攻めて1点を先制。二回に同点とされたが、八回には勝ち越し。「流れは完全に自分たち」(堀江幸弘監督)だった。

 ただ、一人で投げる田中の球威は最後には落ちた。九回に追い付かれ、延長でも踏ん張ったものの力尽きた。春の県大会初戦で伊万里商に打ち込まれ、その悔しさをバネに練習を重ねた田中。大会前に「自分の投球でチームを勝利に導く」とナインと交わした約束は果たせなかった。

 それでも悔いはなかった。「負けたからナイスピッチングとは言えないけど、力は出し切りました」と田中。堀江監督は「最高の粘りを見せた100点のゲーム。何とか勝たせてやりたかった」とエースをねぎらった。

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