政治とカネの問題で辞職した舛添要一前東京都知事と出直し選挙に出馬した増田寛也さんを取材したことがある。2年前に唐津で開かれた全国知事会だ。講師として東京一極集中の弊害を説明する増田さんに対し、知事会デビューの舛添さんは地方をけん引する首都の負担の重さを訴えた◆北九州出身の舛添さんが東京の代弁者である姿に違和感を覚えたが、元岩手県知事で地方を熟知した増田さんがこの後、都知事選を目指したのも意外だった。唐津に集まったほかの知事たちにとっても想定外の展開だろう◆増田さんは自民、公明の推薦を受けて盤石の体制を組むが、勝敗を決めるのは大都市の浮動票だ。1995年は選挙運動をしなかった故青島幸男さんが当選した。主演した「意地悪ばあさん」のようにちゃぶ台をひっくり返した勝利だった◆青島さん以来、都知事は4代続けて言葉を生業(なりわい)とした作家や学者らが選ばれた。ジャーナリストの鳥越俊太郎さんは彼らに続くのか。一方で世界は女性リーダーの時代。ドイツに続き、英国で女性が首相に就いた。日本の首都は小池百合子さんが自著で言う「女子の本懐」を果たすのか◆ただ都知事選とはいえ、告示前から過熱気味で、改憲も問うた参院選が影の薄いまま終わったようで残念だった。東京一極の情報に地方は翻弄(ほんろう)されてないか。(日)

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