近くに妊婦や子供がいたら、たばこは吸わない方がよいと考えている人が大多数です。それは、たばこが早産や赤ちゃんの突然死、ぜんそくの発症などに影響することが知られているからです。

 皆さんは「3次喫煙」(残留受動喫煙 ※)という言葉をご存知ですか。たばこ自体はそこになくても、残留した煙の影響で健康被害を受けることを言います。喫煙者の吐く息や髪の毛、衣類、部屋、カーテン、車内などに染み込んだたばこの残存物質は時間がたつにつれて化学変化を起こし、発がん性が増します。古いヤニほど危険だといわれています。そのため、妊婦や乳幼児に気を使い、別室やベランダでたばこを吸っても、3次喫煙を防ぐことはできません。

 驚くことにたばこを吸わない人の73%が遊技場や飲食店、路上、コンビニの出入り口などで3次喫煙にさらされていることが、日本の研究者によって行われたアンケート調査で明らかになっています。家庭内で完全に禁煙できたとしても安心できません。受動喫煙防止は、社会全体で取り組むべき課題です。

 受動喫煙防止法が施行された国と地域では、心臓病や脳卒中、呼吸器疾患の入院が最大4割近く減ったという米国研究者による報告があります。一方で、日本の受動喫煙防止対策は先進国の中でも最低ランクと評価されています。2016年の県内の喫煙率は21.5%で、全国8番目の高さです。

 佐賀市や小城市などでは、受動喫煙防止対策を促進するために「イエロー(受動喫煙対策要望)カード」を配布しています。子供をたばこの害から守るために、私たち一人一人ができることを考え、行動に移しましょう。

 受動喫煙と子供の健康に関する詳しい情報は、日本禁煙学会理事松崎道幸氏が作成した受動喫煙ファクトシートを参照ください(http://www.nosmoke55.jp/data/secondhand_factsheet.html)。(佐賀大学医学部看護学科・生涯発達看護学講座 佐藤珠美教授)

 ※1次喫煙は自らたばこを吸うこと、2次喫煙は、喫煙者が吐き出した煙、あるいはたばこから立ち上る煙を吸わされること。

このエントリーをはてなブックマークに追加