若年性認知症の人と家族の相談に対応する支援コーディネーターと家族の会メンバー=佐賀市神野東の「若年性認知症支援センター」

■医療、福祉、就労継続など多面的に

 佐賀県は、若年性認知症の人や家族の相談に、電話や面談で応じる支援センターを1日、佐賀市神野東の県在宅生活サポートセンターに開所した。仕事を失い経済的に困窮するなど、高齢者とは異なる課題がある世代に対し、医療や福祉に加え、就労継続など多面的に支援する。

 県長寿社会課によると、認知症は高齢者に多いが、65歳未満で発症する若年性認知症の人も県内に340人ほどいるとされる。

 受託する公益社団法人「認知症の人と家族の会県支部」(森久美子代表)によると、高齢者の認知症は社会的に広く理解が進み、相談につなげる環境づくりが整いつつある。ただ、若い時期に発症する若年性認知症では、初期段階に当事者も家族も「言いづらい」「相談場所が分からない」といった理由で悩みを抱え込みやすい。数年たち、家族ではどうしようもない状況になって相談に訪れるケースが全国的に多いという。

 森代表は20年近く認知症の当事者や家族から相談を受けているが、若年性認知症の相談は20人ほどにとどまる。家族から「病院に行って診断を受けてほしいと家族は願っているが、本人が年齢が若く『行かない』と言う。どうやったら行ってもらえるか」という悩みや、進行すると「暴力を振るう」という相談などがあった。

 「県内にはもっと多く悩んでいる人、家族がいると思う」と森代表。「若年性」を掲げた支援センターが設置されたことにより「水面下で悩んでいる人たちに、相談できる場所、一緒に考える人がいることを知ってもらいたい」と話す。初日は2件の相談があった。

 センターは、若年性認知症支援コーディネーターの3人と家族の会会員7人が交代で相談に対応する。利用できる社会保障制度などについての相談のほか、職場の産業医や担当者、主治医と連携した就労継続支援をする。電話相談は0952(37)8545(月~金、午前10時~午後4時)。事前に連絡をすれば、訪問や来所での面談にも対応する。

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