大木川と書いて「だいぎがわ」。九千部山を源流に鳥栖市を貫く川である。

 県立鳥栖高校の北を流れる川のやや上流に井堰(いぜき)があり、この堰から上流には風土病「日本住血吸虫」がいないといわれた。

 昭和30年代、この井堰が私たちの水遊びの場であり、シジミ貝や巻き貝の「ゴウヒナ」、小魚のハヤやフナを捕る場であった。

 中学生になると、真夏の夜、左手に照明の「カーバイト灯」、右手に「ヤス」と呼ぶ銛(もり)を持ち、脱いだズボンを首に巻き、腰に「魚籠(びく)」を下げて堰に入り、草陰に潜む5寸(15センチ)の小ブナやハヤを銛で突き、石垣から出てくるカニ「ヤマタロ」を足で押さえ捕りながら、宮原製粉の下まで川をさかのぼった。

 昭和40年代、川と交差する国道34号に住宅や工場ができ、貝や魚が油臭くなり、私たちの大木川の川遊びは終わった。

 絵・水田哲夫(鳥栖市本町)

 文・高尾平良(鳥栖市本町)

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