伝統的な生活を送る人々を撮影し、「人のつながりの強さを感じた。それは僕たちが豊かな生活と引き換えに失ったものなのかもしれない」と語る山下海さん=嬉野市コミュニティーセンター楠風館

 嬉野市塩田町出身で写真家を目指す山下海さん(28)の初めての里帰り展「アジアの情景」が、同市コミュニティーセンター楠風館で開かれている。東南アジアの小さな集落で撮影した作品15点に加え、老朽化のため昨年1月までに取り壊された母校塩田中の旧校舎で以前撮影した21点も並べている。18日まで。

 山下さんは大学卒業後、東京の専門学校で写真を学んだ。在学時に半年かけて台湾やベトナム、インドなどアジアの10カ国を巡りながら撮影。風景の中に立つ人物を横長の画面中央に配置する構図で統一させ、「服装や顔立ち、肌の色など細部の違いを感じられるようにした」という。

 今回は、このうち4カ国5カ所の写真を並べた。インド西部の砂漠地帯の写真は、家畜に餌を与えようとしていた少年がたくましく仁王立ちする姿や、真っ赤な民族衣装サリーをまといストールで顔を隠す女性など。また旧塩田中の写真も、教室や廊下に立つ人物を中央に据えて切り取ったほか、自身が所属したソフトテニス部の部室、げた箱などを情緒的に捉えた。

 会場には、東南アジアの民族衣装なども並べた。「当たり前に思っている生活環境の一歩外には、全く違う世界が広がっていることを感じてほしい」と山下さん。観覧時間は午前9時から午後5時。問い合わせは楠風館、電話0954(66)9206。

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