ストーブや介護用品といった暮らしの中の身近な製品を使って起きた死亡事故が昨年3月までの10年間に少なくとも計770件発生し、死者は計903人に上ることが1日、製品評価技術基盤機構(NITE)への取材で分かった。

 消費者庁や、NITEを所管する経済産業省によると、こうした製品事故全体の死者数集計は初めて。製品別では169人が死亡した石油ストーブが最も多く、高齢者の事故も目立つ。不注意や誤った使い方が原因とみられる事故が全体の4割を占め、製品を正しく使えば救えた命は多い。

 NITEは「家族ら周囲の人が使用者に注意を促すのも有効だ。命に関わることだと認識し、正しい使い方を徹底してほしい」としている。

 NITEへの取材を基に、共同通信が10年分を集計した。死者が出た製品事故は2006年度に175件、07年度は184件あったが、その後は減少傾向で近年は40件前後で推移している。

 製品別の事故件数は石油ストーブの135件に続き、電気ストーブ91件(99人死亡)、ガスこんろ78件(90人死亡)の順に多かった。石油や電気、ガスを使う製品では火災が多く、1件で複数人が犠牲になっている。高齢化に伴い、介護ベッドなどの介護用具54件(54人死亡)、電動車いす47件(47人死亡)の事故も目立っている。

 石油ストーブでは16年に大分県で出火、8棟に延焼し、男性1人が死亡した。給油タンクのふたが十分締まっていなかったのが原因とみられる。

 電気ストーブでは12年に石川県で火災があり、80代男性が死亡。愛媛県では15年、ガスこんろを使っていた80代女性の服などに火が燃え移り、女性が死亡した。

 介護ベッドでは柵や手すりなどの隙間に頭部が入り込んだ状態で誤ってベッドを昇降させたことなどに伴う死亡事故が相次ぎ、隙間を狭くする対策が取られた。

 他には石油ファンヒーター・温風暖房機、除雪機、シュノーケルなどアウトドア用品、配線器具、こたつに関する死亡事故が多かった。

 消費者庁は明らかな不注意や誤使用を除く重大事故の情報を収集。NITEは誤使用なども含めた情報を集めているが、こうした積算データは公表していなかった。【共同】

=ズーム=

 ■製品事故 家電や燃焼器具など日常使用している製品の不具合や欠陥などが原因で起きたと疑われる事故。死亡や1カ月以上の重傷・重症、一酸化炭素中毒、火災などは「重大事故」としてメーカーと輸入販売業者が消費者庁に報告することが義務付けられている。製品評価技術基盤機構(NITE)は他に、誤った使い方や不注意が原因の事故や、負傷者が出る恐れがある製品破損の事故などの情報もメーカーや自治体、消防、警察などの協力を得て収集し、再発防止に向けた注意喚起をしている。NITEには2016年3月までの10年で約3万6000件の情報が寄せられた。

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