打ち上げられる、準天頂衛星みちびき2号機を載せたH2Aロケット34号機=1日午前9時17分、鹿児島県の種子島宇宙センター

■衛星みちびき、位置情報精度向上へ

 日本版の衛星利用測位システム(GPS)を構築するための政府の準天頂衛星「みちびき2号機」が1日午前9時20分ごろ、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケット34号機で打ち上げられた。衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。

 みちびきにより、カーナビやスマートフォンに広く利用されている、米国のGPS衛星による位置情報の精度が向上する。政府は年内に3、4号機を打ち上げて4基体制にする方針。位置の誤差は現在の数メートルから1メートル以下になり、特殊な受信機能を持つ機器であれば6センチに改善。2018年度からこうした精密な位置情報が提供される。

 政府は衛星を活用した安全保障の強化を掲げており、みちびきには妨害を避けるために暗号化した信号を発信する機能がある。鶴保庸介宇宙政策担当相は記者会見で「具体的なことは何も決まっていない」と述べた。

 位置情報が正確になると、車の自動運転の安全性を高めやすい。トラクターの無人走行や重機の正確な作業など農業や土木への活用、子どもや高齢者の居場所確認、スポーツの戦術分析への応用も考えられている。政府はみちびきの経済効果は20年時点で年間約2兆円に上ると試算。アジア太平洋地域へのサービスの展開も視野にしている。

 2号機は10年に打ち上げた初号機と同様、地上から見ると8の字を描くような「準天頂」軌道を周回する。日本の上空を長く飛行する特徴があり、4号機が加わるといずれかが常に日本を真上からカバーし、山間部やビル街でも安定して高い精度の位置情報が得られるようになる。3号機は静止軌道に投入する。

 2~4号機の開発と製造費は計約900億円。他に地上の運用などに1千億円以上を投じる予定。政府は米国のGPS衛星に頼らず日本独自で位置情報を提供できるようにするため、23年度をめどに7基体制にする。

 H2Aロケットの打ち上げは28回連続で成功し、成功率は97・1%に向上した。【共同】

=用語解説=準天頂衛星みちびき

 米国が運用する衛星利用測位システム(GPS)を補い、高い精度の位置情報を得るのを目的とした人工衛星。高度約3万3000~3万9000キロの楕円(だえん)軌道を周回し、地上からは日本からオーストラリアにかけての上空で8の字を描くように見える。日本上空を1日のうち約8時間飛行するため、3基あると常に1基が日本上空に位置する。2010年9月に初号機が打ち上げられた。2号機の大きさは縦、横各約3メートル、高さ約6メートルで、打ち上げ時の重さは約4トン。

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