稲田朋美防衛相が辞任を表明した28日、佐賀県民からは「責任を取るのは当然」「遅きに失した」という声が上がった。南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽(いんぺい)にとどまらず、森友・加計(かけ)学園問題なども受けて、安倍政権に対する批判が相次いだ。

 「今さらという言葉しか出てこない」。鳥栖市の自営業宮原寛治さん(48)はあきれる。稲田氏の国会答弁の迷走ぶりや、東京都議選で自衛隊の政治利用と取られる発言をしたことに触れ、「何度も辞めるべきタイミングがあったのに。首相が早めに辞めさせるべきだった」と指摘した。

 県自衛隊家族会理事の古里昭彦さん(63)=唐津市呼子町=は「防衛省のトップとして部下をしっかり掌握できていたのか。就任当初から頼りなさを感じていた」と手厳しい。県東部の元自衛官の70代男性は「国防の知識が乏しく、制服組の士気にも影響していたと思う」。現地の状況を伝え、隊員の安全にも関わる日報の重要性を強調し「もっと率先して捜させないといけなかった」と述べた。

 山口祥義知事は「防衛体制は極めて重要で、一瞬の隙も見せてもらいたくない。(オスプレイなど)さまざまな課題がある中、次の大臣は県に対して真摯(しんし)に向かい合ってもらえる人になってほしい」と注文した。

 疑惑が晴れない森友・加計学園問題や、これまでに相次いだ閣僚の失言も絡み「安倍1強」に陰りが見える中、民進党もトップが辞任するなど政治の混迷の度合いが増している。佐賀市の吉岡泰士さん(82)は「自民党が大きな顔をしてごう慢に映る時もあるが、政権を担える力を持った政党が他にない。2大政党で競り合うような姿が望ましいけれど…」とこぼした。

 「『共謀罪』法が成立した時、強行採決をして強引だと思った。森友・加計学園問題のごたごたもあり、安倍政権の支持率が下がるのも仕方がない」。昨夏の参院選で初めて1票を投じた佐賀大学の田中香織さん(21)はこう振り返り、つぶやいた。「国政の場にいる人たちを疑惑の目で見てしまう。次に投票する時はもっと慎重に候補者を選びたい」

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