特別防衛監察の結果を公表し、辞任を表明する稲田防衛相=28日午前、防衛省

 神妙な表情で言葉を並べながらも隠蔽(いんぺい)への関与を認めることはなかった。南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題を巡り28日、特別防衛監察結果を公表した稲田朋美防衛相。辞任を表明、「責任を痛感している」と繰り返したが、強気の姿勢を見せた。会見は監察結果に疑問を投げ掛ける質問が目立ち、いら立ったり、目を潤ませたりすることもあった。

 「大変厳しい反省すべき結果。極めて遺憾だ」。トレードマークの眼鏡に黒のスーツ姿の稲田氏は冒頭でこう切り出し、監察結果や幹部の処分を自らの口で説明した。

 自身が報告を受けたり、隠蔽を了承したりしたかについて、監察結果では「何らかの発言があった可能性」を指摘されたが、結果的に認定されなかったと主張。「報告を受けたという認識は今でもないが、監察の結果は率直に受け入れる」と淡々と述べた。

 「国民に十分な説明ができるのか」「うその証言や捏造(ねつぞう)があったということか」。日報の隠蔽に関与したか、厳しい質問が相次ぐ。稲田氏は口元をこわばらせてぎこちない表情を見せたり、手元の資料を折り曲げていらだった様子を見せたりすることもあった。

 防衛相としての指導力不足が指摘されてきたことから「文民統制(シビリアンコントロール)が効いていない」との質問も飛んだ。記者からの相次ぐ指摘に、疲れたような様子で「ふう」と肩で息をする場面も。約45分間の会見の最後にはわずかに目を潤ませ「防衛省・自衛隊の名誉にかけて隠蔽はない」と訴えた。

 午後1時半ごろには、就任以来約1年間トップを務めた防衛省を去った。退庁する際、記者団に心境を問われると、「空(くう)ですね、空」とだけ語り、吹っ切れたようにほほ笑んだ。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加