民進党の蓮舫代表が東京都議選での敗北を理由に辞任を表明した。

 告示前の7議席を下回る5議席の惨敗となった都議選後、蓮舫氏は地域別に所属議員から意見を聴く「ブロック会議」で総括を進める一方、党所属議員に協力を呼び掛ける形で、続投を表明。都議選敗北の責任を取って辞任を表明した野田佳彦幹事長の後任選びを進めていた。

 党内には野田氏ではなく蓮舫氏の代表辞任を求める声がくすぶっており、次の執行部体制に向けた人事が難航した揚げ句の判断とみられる。

 昨年9月、高い知名度と発信力で党の再生を期待されて代表に就任したはずの蓮舫氏の進退を巡る迷走は、前身の民主党政権以降、抜け出せない党の深刻な危機的状況を浮き彫りにしている。

 執行部は今後、後継代表選びに入るが、これまでのように「顔」のすげ替えに終わるようでは、危機がより一層深まるだけだろう。

 報道各社の調査に表れているように、安倍政権に対抗する政治勢力を求める世論の期待は、かつて自民党と並ぶ二大政党の一翼を担い現在も野党第1党である民進党ではなく、小池百合子都知事が事実上率いる「都民ファーストの会」の国政政党化に集まりつつある。

 そんな「民進スルー」ともいえる状況の中で、民進党はどうあるべきなのか、どこに向かうべきなのか、究極のところ、存在意義はあるのかを、根本から問い直すことが迫られている。文字通り、解党的な出直しが必要だ。

 「遠心力を働かせてしまった」「統率する力が不足していた。求心力を高める執行部ができることを願う」

 蓮舫氏は27日の記者会見で、自らの党トップとしての資質、能力の欠如を辞任理由に挙げた。

 確かに代表就任前から指摘されていた日本と台湾の「二重国籍」問題について説明を二転三転させたり、「2030年代」とした「原発ゼロ」目標前倒しを表明しながら、最大の支持組織の連合やその強い支援を受ける所属議員の反発を受けて棚上げしたりするなど、国民の信頼を失った政権時代を思い出させるような曲折を見せた。

 しかし、党のまとまりという課題は、蓮舫氏個人というよりも党が抱える問題である。

 かつて目指す社会像が違うという理由で連携を拒んだはずの共産党との選挙協力、安倍晋三首相が具体的スケジュールを打ち出す憲法改正など、党の理念や在り方に関わる問題で、党内に存在する対立関係が解消されないままだ。

 すでに次期衆院選での共産党との協力に関しては長島昭久衆院議員が「受け入れられない」として離党。憲法改正に対する姿勢を巡っても、代表選で蓮舫氏を支援、代表代行として支えていた細野豪志氏が「議論さえしない」と批判して辞任するなど、あつれきが表面化している。

 確かに蓮舫氏や野田氏ら現在の執行部はこれらの問題を本気で解決しようとしなかった。しかし、それは前任の岡田克也代表時代も同様だった。

 「反自公」「反安倍政権」という点でしかまとまれないもろさを克服しない限り、同じような事態を招くことになるだろう。離党者が出ることや分裂を恐れ、問題を先送りすることは、もはや許されない。(共同通信・柿崎明二)

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