与党検討委員会で述べた全線フル規格化に対する考えなどを説明する山口祥義知事=佐賀県庁

与党検討委員会で全線フル規格化を要望した後、報道陣の取材に応じる長崎県の中村法道知事=東京・永田町の衆院第2議員会館

 九州新幹線長崎ルートにフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)を導入する計画の可否に関し、28日の与党検討委員会で意見を述べた佐賀県の山口祥義知事と、長崎県の中村法道知事。全線フル規格化については主張が真っ向から対立した。両知事は非公開の会合後、報道陣の取材に応じた。

■山口・佐賀県知事 フル規格財政が問題、国からの提案待ちたい

 -財政負担が仮にクリアされればフル規格化を考慮するのか。

 「佐賀県の財政負担約800億円がゼロだったら良いと思う」

 -それはルートだとか、実現までの年月がかかることも含めてか。

 「フル規格でやるとなると、国全体の事業費の中で長崎ルートが確保できるかということがあり、本県の負担という問題もある。さらにこれからのスケジュールでかなり時間がかかると思うので、そういうハードルを考えると県として議論できる環境にない」

 -協議の成り行き次第ではリレー方式の長期化も考えられるが。

 「2022年度の暫定開業時には(列車が)全て武雄で止まって乗り換えが発生する。その時の武雄と嬉野をまちづくりの観点からも盛り上げていきたい。西九州全体の観点からすると、あまりに長くなることはいかがなものかという気持ちはよく分かるが、そこから先については国からの提案を待ちたい」

 -FGTにこだわりはないということでいいか。

 「何が何でもFGTと言ったことはない。苦渋の決断の中で、これでも220億円ぐらいの負担をする。それに見合うものをいただいたかというとどうか。FGTが厳しいということであれば次の策を考えるということだろう」

■中村・長崎県知事 効果期待し全線要望、リレー方式長期化懸念

 -長崎県の主張は何か。

 「FGTでの本格開業がさらに遅れる事態は県民に説明がつかない。一番効果が期待できる全線フル規格を要望した」

 -全線フル規格は地元負担が膨らむ佐賀県の理解を得られないのではないか。

 「整備の在り方に関する与党検討委員会の議論を踏まえ、今後検討していかねばならない」

 -長崎が佐賀の分の費用を負担する考えは。

 「地域の費用負担の割合は法律で定められている。現状は難しい」

 -特別法があれば佐賀の費用負担はできるのか。

 「これまでの整備ルールから考えて難しい。長崎県民の理解も必要になる」

 -長崎として佐賀に働き掛ける考えは。

 「検討委で方向性が示される中で、必要があればそうした機会を設けていかなければならない。今の段階では考えていない」

 -ミニ新幹線についてどう考えるか。

 「JR九州の話では工期中、長崎線を運休し、バス輸送が必要になることが想定される。既に新幹線駅のまちづくりが進む中、駅に客が来なくなれば新たな課題も出てくる」

 -整備方針の議論が長引けばリレー方式が続く。

 「開業に向けたまちづくりへの影響、民間の投資意欲の減退など影響が大きく、リレー方式が長引くことがあってはならない」

このエントリーをはてなブックマークに追加