ずいぶん手伝ってくれた後のランチはデッキで

■良き歩みを祈りつつ

 彼岸過ぎに降ってきた突然のアラレに目を丸くしたが、我が家の近くを流れる川で生まれて初めてヤマセミと出合った時は目が覚めるようなその美しさにしばしぼうぜんとした。

 県外の高校で寮生活を送る娘は終業式が終わると、全国にいる先輩たちの実家を青春18きっぷで訪ね歩いてきた。電車をあまり知らぬ三瀬育ちにはちょっとした冒険だったようだ。大阪駅ではまわりがすべて関西弁でびっくりしたと聞いて大笑いした。

 そしてやはり我が家にも先輩方が泊まりにきた。朝から昼間は養鶏の世話や小屋作りを手伝ってくれて、夜の食卓はまさにかしましくて僕の杯がすすんだ。特に娘と寮で同室だった3年生の子の社会への新しい旅立ちを聞く時、鼻の奥につんと染みるような未知への痛みが僕にもよみがえってきて、これからの良き歩みを祈りつつ、このひとときがこの上ないものに感じたのだった。(養鶏農家・小野寺睦)

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