経済産業省は28日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分ができる可能性のある地域を示した日本地図「科学的特性マップ」を公表した。火山や活断層が周囲になく、最終処分の候補地となり得る適地は全ての都道府県に存在し、国土の7割弱が該当。このうち海岸から近く最適とされた地域のある自治体は全市区町村の過半数の約900に上った。九州電力玄海原発がある東松浦郡玄海町周辺は石炭が埋蔵されており、好ましくない地域に分類された。

 経産省は地図の公表で処分場選定の議論を活性化させたい考え。秋以降に最適とされた地域で重点的に説明会を開き、候補地選定に向けた調査への理解を広げる。核のごみは原発の使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出す再処理の過程で出る。政府は地下300メートルより深い岩盤に埋め、放射線量が低くなる数万年から約10万年先まで生活環境から隔離して最終処分する方針だ。

 適地は「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」地域に分類した。適地を含む自治体は約1500あった。このうち海岸から約20キロの範囲を、核のごみが搬入しやすい、処分場建設に最適な「輸送面でも好ましい」地域と位置付けた。国土の約3割を占めた。

 一方、好ましくないと分類した地域は国土の3割強になった。火山や活断層が近くにある地域を持つ自治体は約千、油田や炭田などのある地域を持つ自治体は約300だった。地図は人口密度など社会的要因を反映せずに作成した。

 佐賀県は、石炭が埋蔵されている県北西部の東松浦半島沿岸から南東に向かって白石町付近までの一帯は、将来の掘削可能性の観点から好ましくない地域と分類。これより西側は、県境にある多良岳など三つの火山から半径15キロ以内にあり、好ましくないとされた。石炭が埋蔵されている一帯の東側は、地下の安定性や輸送面から適地に入った。

 東京電力福島第1原発事故が起きた福島県にも適地はあるが、世耕弘成経産相は「現在の状況下で、高レベル放射性廃棄物の問題で負担をお願いする考えはない」と説明。国と最終処分場を建設しないと取り決めている青森県に関しても「約束を引き続き順守する」と述べ両県を事実上候補地から除外する考えを示した。【共同】

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