梅の開花の便りが届き始めた。きょうは節分で、あすは立春である。節分とはもともと立春、立夏、立秋、立冬という季節の始まりの前日のことをいった。季節を分けるから「節分」だ。江戸時代にはおもに立春の前日のことを指すようになった◆節分には「福は内、鬼は外」と唱えて豆をまく。きょうは佐嘉神社や祐徳稲荷神社でも節分祭が開かれるが、家庭でも豆まきをする人も多いだろう。今宵(こよい)は家々から声が聞こえてきそうだ。民俗学者の折口信夫(おりくちしのぶ)によれば、節分の晩は生活が新しくなる境目であり、だから人々はけがれを捨てた。豆まきは厄払いなのである◆室町時代には豆をまいていた記録がある。時代が進んで現代。子どもには、弱虫や泣き虫の鬼を追い払おうと教えても良さそうだ。大人は自分の中の怠け心や煩悩みたいなものを断ち切りたいもの◆「泥多(どろおお)ければ、仏大(ほとけだい)なり」という禅の言葉がある。煩悩が多く、苦悩した者ほど、それが消えた時には大きな悟りを開くことができるという意味だ。困難が大きいからこそ得られる成果も大きくなる。めげそうになる時に思い出す言葉である。志を立て、実り多き人生に一歩踏み出したい◆さて、ことしの恵方は北北西。豆をまいて、恵方巻きにかぶりつけば、春の明るみに向かう。<節分の豆をだまってたべて居る>尾崎放哉(ほうさい)。(章)

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