有田町の九州陶磁文化館近くの森の中。仕掛けた「箱わな」にウリ坊(イノシシの子)が入っていた。「ここでかかったのは久しぶり」と、同町に暮らす池田直子さん(65)の声が弾んだ◆県猟友会有田支部では唯一の女性会員。農林業に有害なイノシシなど野生鳥獣を駆除するハンターが高齢化で減る中、狩猟免許を持つ女性、いわゆる「狩りガール」が活躍している。池田さんもその一人。会社を定年退職し、一昨年8月にわな猟の免許を取った◆収穫を目前にした稲がイノシシに食い荒らされた惨状を見て、いても立ってもいられなかった。「せっかく穂が出たのに全滅。実家が農家だからかなぁ。うわーっと思ってね。なら私が捕ろうと」。それからイノシシだけで200頭を捕獲した。支部で2番手の好成績だ◆佐賀県内の野生鳥獣による農作物被害は1億7500万円と多額に上っているが、狩猟免許を持つ人は減る一方。県猟友会によると県内では千人強で、35年前の3分の1と激減しているのに、女性は約20人と増加傾向。全国も同じで、男女の垣根が低くなり、池田さんのように駆除に貢献したい人が出てきた◆動物好きな池田さんは命の大切さは分かっている。「かわいそうとは思うけど、畑を荒らすなら仕留めるのも仕方ない」。共存できる日が来るまで続けるつもりだ。(章)

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