国営諫早湾干拓事業の開門を求める漁業者側の弁護団が、長崎地裁の和解協議の成り行きを見守っていた福岡高裁に対し、独自に実質的な協議に入るよう求める意見書を提出することが2日、分かった。長崎地裁で協議している開門しない代わりの基金案では解決が望めないと主張する。提出は次回期日の9日。

 福岡高裁では、開門を命じた確定判決の勝訴原告である漁業者らに制裁金などの強制執行をしないよう国が求めた請求異議訴訟の和解協議(国と開門を求める漁業者の争い)と、開門差し止め仮処分決定に国が不服を申し立てた保全抗告審の審尋(国と開門に反対する営農者の争い)が同時に審理されている。しかし、大工強裁判長は長崎地裁の成り行きを見守る姿勢を見せ、事実上、審理が止まっている。

 開門派弁護団によると、意見書は開門反対派に配慮し、直接的に「開門前提」の協議は求めず、開門差し止め保全異議審の争点整理という形で、まずは「開門した場合の被害」についての話し合いを呼び掛ける。その上で、営農者の農業振興も議題とする。

 山本有二農相は国会で、仮に裁判所が新しい枠組みで和解を提案した場合、「訴訟指揮に従う」と答弁している。これを踏まえ意見書では福岡高裁に対し、基金案にこだわらない新しい枠組みでの協議開催を、国に説得するよう求める。

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