「Gate」(2010年、紙にペン、インク、22×27センチ、個人蔵(c)IKEDA Manabu

■同時テロ追悼施設を予見?

 2010年に描いた「Gate」には突如、荒れ狂う海原に異空間が現れる。異空間には、高速道やビルがそびえる近代都市の夜景が見える。その上空には水面すれすれの高度で、ジャンボ機が飛んでいる。SF的な構図だが、米国同時多発テロで崩壊した世界貿易センター(WTC)跡地に建てられた追悼施設を想起する人もいる。

 WTC跡地は「グラウンド・ゼロ」と名付けられ、11年には被害者を追悼する「9・11メモリアルミュージアム」が建てられた。四角い形の追悼施設「ノースプール」「サウスプール」があり、犠牲者の名前が壁に刻まれている。そのプールを上から見た光景が、「Gate」の構図に似ており、「グラウンド・ゼロ」の追悼施設を予見したような作品ともいわれている。

 池田さんは「絵の中で自由に飛びたい」との願望を込め、画面に飛行機を入れた。飛行機を入れることで、立体的な空間を想像させる効果を目指したが、図らずも違った印象を与えたようだ。

 ■池田学展は県立美術館で3月20日まで(月曜休館)。一般1200円、高校生以下は無料。

このエントリーをはてなブックマークに追加