3月定例議会で答弁に立つ峰達郎唐津市長。6月議会で真価が問われる=唐津市議会議場

 1月末の唐津市、白石町を皮切りに上峰町、小城市、みやき町と首長選が続いた。「平成の合併」でこの時期の選挙となった市町が多いが、年度末と新年度に向けた行政執行上、余波も生じる。

 選挙で首長が代わる可能性があり、新年度予算は政策的判断が必要な新規事業は見送り、建設事業など政策的経費も極力抑えて編成する。いわゆる骨格予算である。加えて人事異動や機構改革など庁内体制にも影響が及ぶ。

 2005年の合併以来初めて市長が交代した唐津市は顕著だった。峰達郎市長は就任翌日から予算案の査定が入り、あいさつ回りや来客対応の合間を縫って人事を検討する慌ただしい日々が続いた。

 そして初の3月定例議会。選挙中は「国際会議ができる施設の設置検討」「給食の無料化」など数々の公約を掲げていたが、「市政の信頼回復など喫緊の課題の進捗(しんちょく)状況を見ながら公約を随時入れたい」と具体的な言及はなかった。佐賀県から派遣が内定していた副市長人事は「マッチングの不調」で提案を見送る結果となった。

 市長就任からちょうど2カ月となる。新政権発足後100日間を「ハネムーン期間」と呼ぶように、静かに船出を見守ろうという空気もあったが、市長自ら自治体運営の難しさと最高責任者の重責を認識する日々となったはずだ。

 唐津市は前市長時代に公共事業をめぐる不正、不祥事が相次ぎ、市政刷新への期待を背に峰市長は当選した。その分、はやる気持ちがあり、外部から2人目の副市長起用案も「新しい風を吹き込みたい」という思いからだったろう。

 ただ、今はまず足元を固め、市政を支える職員との信頼関係を築く時だ。ある市部長経験者は「市長は職員の意見をじっくり聞き、取捨選択して、方向付けを行う。それが仕事」と言い、「職員が市長を向くか、議会を向くか、これからのパワーバランス上も重要な時期」と語る。

 不在となった副市長の後任人選とともに、亀裂が生じた佐賀県との関係修復は急務だ。唐津コスメティック事業やアニメによる観光振興、佐志浜の遊休地への企業誘致など、ここ数年、佐賀県との連携が進展している。せっかくの機運に水を差してはならない。

 玄海原発の再稼働をめぐる最終判断が目前に迫り、2カ月後には骨格予算に政策的な肉付けを行う6月定例議会を迎える。特別顧問や新課など選挙前後に語った組織構想についても具体化、あるいは道筋を示さなければならない。

 首長は政治家と行政の長という2つの立場を持つ。市議や県議時代の経験とパイプを生かし、国政、県政の動きに目を配りつつ、佐賀県第2の自治体のトップとして基盤を整えたい。そこから真の峰市政が始まる。(吉木正彦)

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