佐賀で過ごした18年間の思い出や新国立競技場の設計に込めた思いについて話した杉谷文彦さん=佐賀市の金泉中学校

■人との出合い、故郷大切に

 2020年の東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の設計に関わる梓設計(東京)社長で、佐賀市出身の杉谷文彦さん(59)が佐賀市の金泉中(宮地洋州校長、195人)で講演した。金立小・久保泉小の6年生と地域住民を含む約300人に、競技場設計に込めた思い、佐賀で過ごした18年間で得た宝物について話し、人との出会いを大切にとメッセージを送った。

 杉谷さんは佐賀市大財出身で、循誘小-城東中-佐賀西高卒。早稲田大学で建築を学んだ。これまでに東京国際空港国際線旅客ターミナルや埼玉スタジアム2002、県内では佐賀空港国際線ターミナルや佐賀大美術館などを手掛けた。

 杉谷さんは城東中で友達に誘われた軟式野球との出合いを人生の原点に挙げ、雨の日のきつい練習、なかなかレギュラーになれなかった日々などを紹介。「人に寄り添う気持ちや当時培った体力、今も僕を支えてくれる仲間は佐賀でもらった宝物」と感謝した。

 建築家・隈研吾氏とタッグを組む「木と緑のスタジアム」は国産木材を多く使う点が特徴で、杉谷さんは「日本は世界有数の森林国だが、木々の循環が進んでいない。これを機に若くて元気な森づくりが進んでいけば」と思いを語った。

 杉谷さんは小中学生に向け、「建築は一つとして同じ仕事がなく、変化を楽しめる。興味があれば、その道をどんどん進んで」と呼び掛けた。金泉中3年の松本悠希さん(14)は「『どんなことでも何とかなる』という仕事観が印象に残った。2月の受験まで一歩ずつ精いっぱい取り組んでいきたい」と刺激を受けていた。講演は同校のPTA事業「親子で聞く講演会」で開いた。

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