■石垣崩壊の原因調査重要

 肥前名護屋城跡を皮切りに、伝統的な工法による石垣修復を全国に広め、熊本地震の前から熊本城の保存活用委員を務めてきた。

 「石垣の現状調査を始めようとしたのが昨年4月だった。地震の前に手を打っていれば…。同じような城跡は全国に約300カ所ある。万一に備えて石垣の老朽化状況を調べて、修復の参考になるように写真を撮影しておくべきだ」

 熊本城で崩壊した石垣は約2万3600平方メートルに及ぶ。築城当初から江戸や明治、昭和、平成期に修復されたものも含まれている。

 「壊れる直前に戻すのが基本だが、補修の方向性が決まるのはこれから。崩壊の原因を究明する発掘調査が重要になる。石垣内部が排水機能を失っていたのか、構造的な弱さがあったのかなどを調べたい」

 早期の修復を追求するあまり、重機を入れてコンクリートを流し込むような工事が進められることを懸念する。そうなれば、文化財の価値を損なうと考える。

 「石垣の評価が高いから国の特別史跡になっていることを忘れてはいけない。エジプトのピラミッドなどのように、石積みの伝統工法で1世紀をかけるくらいの長い目で補修すべきだ。高い石垣の上に城を築く文化は日本にしかなく、修復作業を一般公開することで世界的な観光資源にもなるはずだ」

=随時掲載

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