■国連安保理が緊急会合

 【カイロ、ニューヨーク共同】シリア北西部イドリブ県で化学兵器が使用されたとみられる空爆で、米NBCテレビは4日、現地で医療支援活動を続ける非政府組織(NGO)の話として死者は少なくとも83人、負傷者は350人に上ると伝えた。シリア内戦で最大級の化学兵器被害となる可能性がある。

 負傷者らを診察した医師は、米CNNテレビに「猛毒のサリンによる症状と一致している」と指摘。米政府当局者もロイター通信に同様の見解を示し、サリン使用の可能性が高まった。

 国連安全保障理事会は5日、緊急会合を開催し、この空爆について協議した。米英仏は化学兵器使用を非難する決議案を全理事国に配布した。

 ロシア外務省のザハロワ情報局長は5日、決議案を「断固として受け入れられない」と述べた。アサド政権の後ろ盾の常任理事国ロシアが拒否権を行使するのは確実な見通し。

 決議案は、4日のイドリブ県での空爆を含むシリア国内での化学兵器の使用を「最も強い言葉で非難する」とし、関係者に責任を負わせる決意を表明。さらにアサド政権は、化学兵器禁止機関(OPCW)と国連専門家パネルのシリア空軍基地への立ち入りを認め、航空日誌やヘリ部隊の隊員名簿を提出する義務があるとしている。

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