北朝鮮による大陸間弾道ミサイル発射の強行を受け、九州周辺の上空で米空軍機と共同訓練を行う航空自衛隊のF2戦闘機(下)=30日(航空自衛隊提供)

 北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け、米空軍と航空自衛隊は30日、九州西方から朝鮮半島沖の空域でB1戦略爆撃機とF2戦闘機による共同訓練を実施した。発射を強行した金正恩(キムジョンウン)体制をけん制する狙い。岸田文雄外相兼防衛相は「日米同盟の抑止力、対処力を向上する努力を続けていく」と強調した。米太平洋軍空軍は北朝鮮を「最も差し迫った脅威」と位置付け「同盟を守る米国の責務は揺るがない」と指摘した。

 米軍爆撃機は韓国空軍とも共同訓練を行った。今月8日にもICBM発射を踏まえて空自、韓国空軍とそれぞれ訓練しており、北朝鮮の核・ミサイル開発阻止へ日米韓3カ国の連携を改めてアピールした格好だ。日米は金正恩体制へ「最大限の圧力」を加えることで一致し、韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は対話も模索している。

 岸田氏は30日午前に防衛省に入り、状況報告を受けた。日米共同訓練について「地域の安定化に向けたわが国の意思と高い能力を示した」と記者団に述べた。5月下旬の日米首脳会談の際に防衛能力向上で合意しており「(共同訓練は)具体的な行動の一環だ」とした。その後、外務省でも幹部の報告を聞いた。

 米太平洋軍空軍司令官は声明を発表し、北朝鮮対応に関し「最悪の事態」に備えて同盟国防衛のための態勢を強化する必要性に言及した。北朝鮮の脅威に「われわれが選んだ時と場所で、迅速に圧倒的な力で対処する用意がある」と語った。

 米太平洋空軍によると、B1爆撃機2機は空自のF2戦闘機2機との共同訓練後、韓国空軍のF15戦闘機との訓練に移行し、ソウル南方の米空軍烏山基地の上空を低空飛行した。8日に飛来した際に行った爆撃訓練は今回実施しなかった。

 韓国の宋永武(ソンヨンム)国防相は29日、北朝鮮のミサイル発射を受け「韓米両政府は挑発に断固対応し、戦略兵器を展開させる」と予告していた。聯合ニュースによると、韓国軍関係者はB1の飛行について「有事に即刻出動し、爆撃を遂行する能力を示す目的」としている。

 米軍や空自によると、訓練は全体で約10時間。米軍はB1戦略爆撃機2機をグアムの基地から派遣した。(東京、ワシントン、ソウル)

このエントリーをはてなブックマークに追加