秀島敏行氏

 任期満了に伴う佐賀市長選(10月8日告示、15日投開票)まで2カ月余り。出馬の意向を表明しているのは現職の秀島敏行氏(75)=3期、本庄=だけで、4人の激戦となった前回から一転、対抗馬は現れていない。一時、名前が取りざたされていた佐賀市出身の男性官僚は出馬を見送るとみられ、今のところ他の動きも見られず、県都の将来を占う選挙は38年ぶりに無投票となる可能性が浮上している。

 前回2013年の市長選は、現職の秀島氏、元県議会議長、元総務官僚、元参院議員の4人が激戦を繰り広げた。秀島氏は次点の元議長に1759差で競り勝ち、3選を果たした。

 今回の市長選を巡っては、秀島氏が「6月議会での進退表明」を明言していたこともあり、対抗馬の動きは現職の動向をにらみながら水面下で進んだ。

 意欲を持っていた男性官僚は具体的な活動はしておらず、出馬を見送る公算が大きい。自民系市議は「現職の引退を見据えて動いていたが、シナリオが狂ったようだ」。別の市議は「出る気があるなら、もう名乗りを上げているはず。(出馬の可能性は)完全に消えた」とみる。

 「秀島市政」が誕生した背景には、当時の改革派市長木下敏之氏に反発し、一部の自民県議や市議が出馬を要請した経緯がある。05年に自民と社民が秀島氏を推薦して初当選した。09年は自民、社民、公明が推薦。13年は元県議会議長が出馬したため調整がつかず、自民は両者への推薦を見送った。

 秀島氏がオスプレイ配備計画に慎重姿勢を示していることもあり、自民系市議の一人は「現職を全面支持ではない」としつつ、「保守を割ってまで誰かを担ごうというほどの状況ではなく、自民が誰かを担げば勝てるというわけでもない」。自民党県連も「打倒木下で支援した経緯がある」(県連幹部)として静観を続けた。

 自民以外の県内主要政党にも対抗馬を立てる動きはない。市政に批判的な共産は、秀島氏がオスプレイ配備に慎重姿勢を示していることを踏まえ、「状況を見極めたい。無投票を避けるための擁立は考えていない」(今田真人委員長)。

 市選挙管理委員会によると、市長選は1979年、厚生官僚出身の故宮島剛氏(2006年死去)が無投票で初当選した後はいずれも選挙戦になっている。8月2日に市長選の立候補届出事務説明会があり、現時点で立候補に興味を持つ人の顔ぶれが判明する。

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