■成分過多で危険な例も

 年明けからC型肝炎の治療薬の偽造品が出回っていることが問題になっています。流通ルートが問題になっているほか、偽造薬の成分がビタミン剤や漢方薬であることなどがわかってきました。

 勃起不全(ED)の治療薬にも同じような問題があります。ただしED治療薬は保険外診療で、薬代も肝炎のそれと比較するとせいぜい10分の1程度ですので、ここまで大きな社会問題としては取り上げられませんが、逆にそのためにいつまでも偽造薬が出回っているという状態が続いています。また疾患の性質から、薬を飲んでいることをあまり他人に知られたくないという心理が働くため、病院以外のルートで薬を手に入れる方法があれば、安全性よりも簡便さが優先される傾向にあるようです。

 しかしながら、偽造薬の比は肝炎どころではなく、昨年個人輸入代行業者を対象に行われた調査では約40%が偽造であることがわかりました。さらに偽造薬の内容を調べたところ、有効成分が少ない、入っていない、ほかのED治療薬の成分が入っていたなどのほか、有効成分が承認容量以上に含まれていた、というものもありました。別の調査では、通信販売を利用する人のほとんどが偽造薬があることを承知しているという結果が出ていましたが、効果が乏しい可能性は覚悟していても、成分が多すぎて危険である可能性については理解していない方が多いのではないでしょうか。

 また、偽造薬の見分け方も言いはやされているようですが、割ったときの粉のふき方や水に入れたときの溶け方などではまったく見分けることはできません。ですから、いかに安全で信頼できる薬を手に入れるかがED治療の早道と言えるでしょう。そして、もっとも安全で効率的に薬を手に入れる方法は、医療機関にかかることは言うまでもありません。(なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

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