参院選の投票所で入場券の受付係を務める牛津高の生徒。政治を少し身近に感じ始めた=10日、小城市牛津町

■意識の中に投票への障害

 18歳選挙権が導入された参院選では、県内でも多くの高校生が刺激を受け、1票を投じた。弘学館高(佐賀市)3年の江口眞子さん(18)は寮暮らしだが、小城市の実家に帰って期日前投票をした。

 「そんなに低いの」。投開票日の翌11日に県選管が抽出調査して公表した18、19歳の投票率40・59%に、驚いた。高校では、選挙権を得た3年生のほとんどが投票していたからだ。18歳選挙権の効果もあってか県全体の投票率は微増だったが、「大人がもっと投票に行かないと投票率は上がらないのでは」と考える。

 抽出調査では18歳と19歳の投票率に差が出た。18歳の投票率は19歳より10ポイント以上高い45・89%。高校の主権者教育の成果が出たとみられるが、進学に伴う環境変化の影響も懸念される。

 佐賀新聞が佐賀大経済学部1年生に実施した選挙後のアンケート調査でも、投票しなかった理由で、住民票が遠方にあり、不在者投票などの手続きが面倒な点を挙げた学生が目立った。

 「いつか投票しようと思っているうちに、選挙が終わっていた」。伊万里市に実家がある経済学部の1年生(18)は車の免許がなく、実家に帰るには家族から迎えに来てもらう必要があった。周りでは投票に行かない友人も多かった。少しずつ、選挙を意識しなくなっていった。

 選挙に関心がないわけではない。高校でも投票に行くよう強く指導された。ただ「自分の考えにぴったり合う候補者はなかなかいない」とも感じている。実際にどう投票先を選べばいいのか悩ましい。

 10代の若者は投票に対し、大人が想像するより難しいイメージを持つ。経済学部1年の蘭舜也さん(19)=佐賀市=は、思ったより早く投票が終わり、「こんなものか」と感じながら投票所を出た。「現状維持よりも、いい方向に日本を変えてくれそうな人を選んだ」。自分の意思をスムーズに示せたことが新鮮であり、心強かった。

 10代の意識の中に存在する投票へのハードル。これをいかに下げるかも、政治参加を促す重要なポイントになる。

   ◇   ◇

 参院選で「18歳選挙権」が導入され、10代が初めて投票した。連載第5部では、10代の投票行動や高校の主権者教育、政党、選管の取り組みを検証し、今後の課題を考える。

=18歳選挙権さが=

このエントリーをはてなブックマークに追加