安倍晋三首相は8月3日にも実施する内閣改造・自民党役員人事で、政権と距離を置く議員を要職に起用する検討に入った。加計学園問題などで内閣支持率の低下が止まらない中、党内の「批判勢力」を取り込んで挙党態勢の構築を図る狙いだ。複数の政府、与党関係者が30日、明らかにした。首相は同日、公邸で人事構想を練った。閣僚経験者の再登板を含め、守り重視の体制づくりに傾いているとみられる。

 改造人事を巡り首相は、政権の骨格を維持しながら「人心一新」を図る考えを今月9日に記者団に表明した。ただ、能力が未知数の初入閣組や、首相に近い「お友達」を多く登用すれば求心力低下につながりかねない。政権に苦言を呈してきたベテラン議員を要職に充てれば、批判勢力の離反を防ぎながら、刷新感も演出できると判断しているもようだ。

 具体的には、第2次安倍内閣が発足した2012年12月から自民党総務会長を務めた野田聖子元郵政相や、14年12月の第3次内閣発足時に防衛相に就いた中谷元・党憲法改正推進本部長代理の名前が浮上している。野田氏は15年9月の党総裁選への出馬を一時検討した。中谷氏は加計学園問題などに関し、政権運営に注文を付けている。

 自民党内には、首相と一線を画す「ポスト安倍」候補、石破茂元幹事長を入閣させるべきだとの意見もある。石破氏は講演などで「当選回数が少なくても努力している人を登用すべきだ」として、自身の入閣には否定的な考えを示している。30日の岡山市での講演では「今街頭で自民党はすばらしいと言う国民はそんなにいない」と述べた。

 首相は31日、公明党の山口那津男代表と会談する予定。山口氏が同党の石井啓一国土交通相の続投を要請し、首相は受け入れる見通しだ。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加