佐賀県地域産業支援センターが2015年度に受けた「下請けいじめ」の相談件数は、前年比7件減の17件で過去2番目に少なく、発注企業の優先的地位の乱用を禁じた「下請法」の理解がある程度進んでいることをうかがわせた。一方、取引先との関係悪化を恐れ、「相談をあきらめ泣き寝入りするところも多い」と訴える中小企業経営者の声も依然目立っている。

 相談で最も多かったのは「代金の遅延・不払い」の7件。工事完了後に見積もり額の半額に値切られた建設会社や、発注側の倒産に伴い設計費用が未払いになった建設関連会社などが含まれた。「代金減額」は1件で、納品数が激減したのに、納品価格を据え置かれた部品メーカーからの訴えだった。

 業種別では、建設業関連5件、製造業4件、その他5件。このうち3件を無料弁護士相談につないだ。

 政府の経済対策で大企業の業績が回復する一方、国際競争を理由に下請けに厳しい受注価格を求める現状は変わっていない。自動車部品を下請けする佐賀市の金型メーカーは「『無理ならほかをあたる』と言われ、注文書にはすでに受注単価まで書き込まれていた。拒むと仕事が無くなってしまう…」。佐賀市の船舶部品メーカーは「原発停止で電気料金が値上がりしたが、その半分しか認めてもらえない。仕事が少なくなった時のため飲まざるを得ず、相談できない」と厳しい状況を吐露する。

 同センターは、13年(12件)に次いで相談が2番目に少なかったことについて「法の理解が広がり、一定の改善がみられた」としつつ、「棚卸しを下請け企業に強制するなど、いびつな商習慣がまだまだ残っている。契約書を交わすなどしてトラブル回避を」と助言した。

 相談事業は「下請けかけこみ寺事業」と題し、全国中小企業取引振興協会が適正取引を目指して08年度に始めた。県内では同センターの専門相談員が対応している。電話0952(34)4416。

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