【ワシントン共同】イスラム圏7カ国からの入国を禁じたトランプ米大統領の大統領令は憲法に違反し無効だとして、西部ワシントン州が差し止めを求めていた訴訟で、同州シアトルの連邦地裁は3日、大統領令を一時差し止める命令を出した。全米で即時適用されるとしている。ホワイトハウスは地裁の命令に反発、即時抗告する方針を表明。大統領令を巡る混乱が深まりそうだ。

 地裁命令を受け、米入管当局が入国禁止対象7カ国の旅客の入国を認め、難民も受け入れる方針を航空会社に通知したと、米メディアは報道。日本の全日本空輸、日本航空や、中東のカタール航空は7カ国の乗客の搭乗を受け入れる方針だ。

 7カ国からの入国が実際に可能になるかどうかは不明だ。差し止めはトランプ政権への打撃となるが、東部ボストンの連邦地裁は3日、大統領令を巡る政府側の主張を支持する判断を示すなど、司法判断は割れている。ただ、同地裁判断は特定個人の入国に関する訴訟のため影響は限定的とみられる。

 シアトル連邦地裁のロバート判事は、大統領令によって「回復不能な被害が生じる」との原告の訴えに公益性を認めたと説明した。地裁は今後、違憲かどうか判断する方針だが、入国禁止措置は90日間の期限付きで、最高裁まで争えば措置の終了までに決着がつかない可能性もある。

 ワシントン州のファーガソン司法長官は「法を超える人間はいない。たとえ大統領でも」と語り、違憲かどうかの判断が出るまで差し止め命令は有効だと指摘した。大統領令は1月27日に出され、ワシントン州は30日に州として初めて提訴。中西部ミネソタ州も原告に加わった。東部ニューヨークなど他の州も、市民団体が起こした訴訟に加わる形で同様の提訴に踏み切っている。

◆6万人のビザ取り消し

 【ワシントン共同】米国務省は3日、トランプ大統領がテロ対策として指示したイスラム圏7カ国からの入国禁止措置を受けて、6万人弱の米入国査証(ビザ)を暫定的に取り消したと明らかにした。

 国務省は「ビザ発給に際しては国家の安全を最優先する」と強調。入国禁止令がビザを既に取得した多数の市民を巻き込んでいることが判明し、国際社会のトランプ政権への批判が一段と高まりそうだ。

 国務省は、ビザを取り消された人は、入国禁止を指示した大統領令に基づき政府がビザ審査などの見直しを行うまでの間「一時的に不便を被る」と説明した。

このエントリーをはてなブックマークに追加