佐賀大学医学部の内科医を中心に実施した糖尿病に関する臨床研究が、附属病院の倫理審査委員会の規定に反し、患者の同意が不十分なまま論文になり、同意を得たと偽って学術誌に掲載されていたことが6日、分かった。医学部は3月に論文の取り下げを申請し、医師と論文責任者の教授の計2人を厳重注意した。

 研究は2009年に倫理審査委の承認を受けて始まり、30人の患者から取得した血液データなどをもとに執筆された論文が昨年、学術誌に掲載された。

 当時の規定は患者から書面で同意を得るよう求めていたが、一般的な研究使用に関する同意書を一部患者から取得しただけで、論文には規定通り取得したと掲載した。今年2月に外部から指摘があり、内部調査で違反が明らかになった。

 別の内科医が担当した肝炎の論文についても、同意取得について記載の不備が見つかり、訂正を申請した。現在は国の方針に従って規定を変更し、書面での同意取得は求めていない。

 原英夫医学部長は「研究倫理に関する教育研修を強化するなど、再発防止を徹底する」と話している。

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