昭和初期に建てられた吉村家(佐星醤油)。佐賀市都市景観賞を受賞している

主屋は南向きで、2階の手すりが風情を感じさせる

■昭和初期の洋風木造

 佐賀市唐人町は、天保年間(1644~48年)の絵図をみると、佐賀城下だったことが分かります。白山町から北に出て、外堀的な役割を果たした十間堀川の土橋を渡り、北へ真っすぐ延びる町でした。

 伝えによると、天正15(1587)年、大風のため筑前に漂着した高麗の宗歓一家がこの地に住むようになり、宗歓は文禄・慶長の役で道案内をしたといわれています。慶長4(1599)年、鍋島直茂は彼らの居住地である愛敬島の一部を唐人町と名付けたとされています。

 唐人町にある吉村家(佐星醤油)には、「昭和6年10月1日吉村吉郎建立、建築棟梁大工光野伸市」と墨書があります。木造モルタル2階建てで、地方都市における昭和初期の洋風式のモダンな姿が見られます。

 佐星醤油の歴史は古く、3代目の吉村善次が明治30(1897)年に醤油醸造を始め、その後、5代目の吉村謙一が昭和26(1951)年に、現在の佐星醤油株式会社を設立し今日に至っています。

 なお、この建物は平成17(2005)年に佐賀市都市景観賞を受賞しています。

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