『「川古庄屋日記・諸控帳」を読む』を出版した松尾さん

■佐賀市の松尾さん、若木町の古文書読み解き

 佐賀市の会社社長松尾政信さん(66)が、出身地の武雄市若木町の江戸時代の様子を古文書などから読み解いた『「川古庄屋日記・諸控帳」を読む』を出版した。領地分割で複雑な支配関係の下で、人々が苦労を重ねた姿などが描かれている。

 江戸時代に川古村(現在の若木町)の総代的な役割を務めた満武家が、村で起きた重要な事柄を書き残した古文書「川古庄屋日記」(正式名「諸控帳」)を中心に、他の古文書や「若木百年史」なども参考にして執筆した。

 本によると、武雄領だった川古村は、蓮池領、岡部領など四つに分けられた。上質の農地は召し上げられ、領地が違うと養子縁組もできなくなった。主要産品は薪(まき)と炭で、川古山の南側を中心に9カ所の窯元があった。武雄-伊万里、福岡-長崎へ向かう際の交通の要衝でもあり、伊能忠敬も足跡を残している。

 本の後半部分は、解読した古文書の文章に解説を添えて当時の様子を描いた。年貢の内容をはじめ、台風や大水害、干ばつの被害、納税をめぐる“訴訟”のことなど、人々の苦労がうかがえる内容も多い。

 松尾さんは「通信教育で古文書の解読を学び、県立図書館の司書の方に相談を重ねながらの作業だった」と振り返り、「若木町の人たちが昔のふるさとの姿を知るきっかけになれば」と話す。

 A5判、283ページ。200部つくり、武雄市図書館や若木公民館などに寄贈している。

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