記者会見でふるさと納税について意見を述べる山形県の吉村美栄子知事=5月23日、山形市

 ふるさと納税の高額な返礼品を自粛するよう求める総務省に対し、山形県の吉村美栄子知事が反旗を翻す発言を続けている。地域経済へのプラス効果を重視し、競争の過熱を容認。お墨付きを得た格好の県内市町村からは「返礼品を活用した活性化の取り組みを後押ししてくれた」と歓迎の声が上がっている。

 「地域活性化に寄与する制度。ある程度、過熱気味でもいいのではないか。地方が盛り上がっているのを懐深く見てほしい」。吉村氏は4月11日の記者会見で、総務省をけん制した。

 同省は4月1日、ふるさと納税制度に基づく寄付は本来、見返りを求めないものだとして、家電など資産性の高い品物や金券を返礼品にしないよう要請。返礼品の調達額は寄付額の3割以下とするよう自治体に求めた。

 これに対し吉村氏は、地域ごとの実情を考慮しない全国一律の規制に不満を示す。5月23日には「町の商店街で使える金券や、地域で作られている工業製品はいいのではないか」と指摘。調達額3割以下についても「(贈られた金品の半額を返す)半返しという言葉もある」として、妥当性を疑問視した。

 発言の背景にあるのは、好調な実績だ。県と35市町村を合わせた2015年度寄付総額は約139億円。北海道に次ぐ全国2位で、地域経済にとって無視できない規模になっている。

 寄付者の8割が地元で製造されたノートパソコンを返礼品に選ぶという米沢市の担当者は、品目の見直しを検討中としつつ「寄付額の増加で新たな製造工場ができ、市民の働き口が増えた。知事は現場の思いを踏まえている」と評価した。【共同】

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