大阪地検に入る「森友学園」前理事長の籠池泰典容疑者=31日午後2時12分

 大阪地検特捜部は31日、国の補助金をだまし取ったとして詐欺の疑いで、学校法人「森友学園」(大阪市)の前理事長の籠池(かごいけ)泰典(本名・康博)容疑者(64)と妻諄子(本名・真美)容疑者(60)を逮捕した。籠池容疑者はこれまで不正への関与を否定しており、関係者によると、2人は黙秘する方針という。27日に続き、2度目の出頭要請だった。

 学園を巡っては2月、大阪府豊中市で開校を予定した小学校の用地となった国有地が、8億円余り値引きされ売却された問題が発覚。名誉校長に一時就いた安倍昭恵首相夫人の意向が影響した疑惑が国会で追及された。特捜部は学園と交渉した財務省近畿財務局関係者に対する背任容疑の告発も受理しており、解明が進むか注目される。

 逮捕容疑は2016年2月下旬ごろ、小学校校舎を巡り、京都市の設計事務所役員と共謀した上、工事費を水増しした工事請負契約書を国土交通省が委託した一般社団法人に提出し16年3月~17年2月、約5600万円を詐取した疑い。

 この問題では3通の金額が異なる契約書の存在が判明。国交省側に提出したのは最も高い約23億8千万円で、特捜部は正しいのは約15億5千万円と判断した。

 補助金は木造建築技術の普及を目的とする内容で、学園は3月下旬に全額を返還。だが関係者によると、特捜部は金額が大きく、返還は契約書の問題が発覚した後だったとして悪質性は高いとしている。籠池容疑者と諄子容疑者が、学園の代理として国交省側に補助金を申請した設計事務所関係者らとの会合で、不正を主導した疑いがある。

 特捜部は3月、補助金適正化法違反容疑の告発を受理し、設計事務所や施工業者らを任意聴取するなど捜査を進めてきたが、より法定刑が重い詐欺容疑を適用した。学園が運営する塚本幼稚園(大阪市)に府や市が出した補助金をだまし取ったとする詐欺容疑でも立件する方針を固めている。【共同】

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