堺市の百舌鳥古墳群。右上は大山古墳(仁徳天皇陵)(共同通信社ヘリから)

 国の文化審議会は31日、2019年の世界文化遺産登録を目指す候補として、日本最大の前方後円墳・大山(だいせん)古墳(仁徳天皇陵)を含む「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」(大阪)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することを決めた。登録に必要な「顕著な普遍的価値」が視覚的に理解しやすく、推薦に向けた準備が比較的進んでいると判断した。

 ただ審議会では、ユネスコ側から登録を大規模古墳に絞るよう求められる恐れがあり、離れた場所にある古墳群の一体性をどう説明するかも課題になるとの意見が出た。佐藤信世界文化遺産部会長(東大大学院教授)は記者会見で「ユネスコ諮問機関の評価次第では、推薦を一時取り下げる場合もある。地元自治体は内容見直しの可能性があることを視野に入れてほしい」と話した。

 政府が来年2月1日までに推薦書を提出、ユネスコの諮問機関が現地調査し19年5月ごろ登録の可否を勧告する。順調なら19年夏のユネスコ世界遺産委員会で正式に審査される。

 百舌鳥・古市古墳群は、大阪府南部の百舌鳥地域(堺市)と古市地域(羽曳野市、藤井寺市)にある国内有数の古墳群。4~6世紀に築かれ、現存する89基のうち、墳形がよく残っている49基を「古代日本の文化や技術を示す希少な物証」として推薦する。

 ほかに「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田)と「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟)も選考対象とされたが、審議会は世界的価値の説明方法や推薦内容になお課題があると判断した。世界文化遺産の審査を受けられるのは一つの国につき年1件のため、20年以降の登録を目指す。【共同】

■百舌鳥・古市古墳群 4世紀後半~6世紀前半に形成された二つの古墳群。東西に約10キロ離れ、大阪府南部の堺、藤井寺、羽曳野の3市にまたがる。200基以上が築かれたが、現存は89基のみ。大型の前方後円墳が集まっているのが特徴で、国内最大で墳丘長486メートルの大山古墳(仁徳天皇陵)を含め、200メートル超のものが11基ある。構成資産49基(4世紀後半~5世紀後半)には宮内庁管理の陵墓などが含まれ、大阪府初の世界文化遺産登録を目指している。

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