6-6の八回裏2死。同点打を放った佐賀北の二走、藤井琢也主将は、続く原田悠介の中前打で勢いよく本塁に突入した。「きっと何か起きる」と信じ、頭から飛び込んだ。しかし憤死。勝ち越しはならなかった。

 昨年8月の佐賀市長旗、同9月の県大会と2試合連続で佐賀商にコールド負けした佐賀北。この日は必死に食らいついた。二回、4点を奪われるとすぐに3点返し、八回には同点に。3点勝ち越された九回にも諦めずに1点を奪い、佐賀商に「本当にしつこい」と思わせる成長を見せた。

 久保貴大現副部長がエースとして全国制覇した時、甲子園で見せた「佐賀北の粘りの野球」。当時小学生だった藤井ら選手たちには憧れだった。今、チームにはスーパーエースもホームランバッターもいない。百崎敏克監督に「ここで監督をしてきて一番下手」と言われもした。しかし最後に、監督を「猛練習に耐えて、よくぞここまで成長した」とうならせた。

 試合後、「やりきった」とすがすがしい表情を見せていたナイン。百崎監督に「本当によく頑張ったなぁ」と頭をなでられると大粒の涙をこぼした。「ありがとうございました」と藤井。感謝の涙だった。(蒲原隆寛)

 佐賀商・上田哲平(今大会初出場で決勝点となる3点を奪う三塁打を放つ) 後ろに良い選手がいるので、つなぐ意識だけで打席に入った。

 佐賀北・中島拓朗(三回から好救援も逆転を許し) 体力の無さが負けにつながってしまった。また、一から鍛えたい。

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