1点を追う鹿島の八回表。2死から3年生の山下祐真、峰力哉がつないだ後、大坪慎一監督に「3年分の思いを込めておいで」と送り出された3番平方壱生希は、1-2からの4球目を豪快に振り抜いた。結果は三振。だが監督は「振ってくれてよかった」とねぎらった。

 平方は、県外の強豪の誘いを受けながら「長打力とスイングスピードの速さ」を買う大坪監督の熱意に押され、鹿島に進学した。「甲子園で勝とう」という監督の思いを胸に1年夏からベンチ入り。主将として臨んだ今大会は、厳しいマークにあいながらも初戦で先制の3点本塁打を放つなど打線をけん引した。

 9年ぶりの4強をかけたこの試合。平方は無安打だったが、チームは序盤、昨夏王者の龍谷をリード。力を上げたことを示した。

 「春までは勝てずにどん底だった。この1カ月は本当に楽しかった」と大坪監督。平方は「これだけ戦えるチームになった。この勢いのまま登っていってほしい」。こみ上げる涙を最後までこらえた。(小部亮介)

 鹿島・坂口蒼(主戦として救援も勝利に導けず) 試合の反省よりも、1分、1秒でも長くこのメンバーで戦いたかった。

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