新たに増設したパワー半導体加工の生産ライン。田口英信社長は「事業を新たな経営の柱にしたい」と意気込む=三養基郡基山町の田口電機工業

 三養基郡基山町の田口電機工業(田口英信社長)は、メッキ加工で培った微細加工技術を生かし、パワー半導体の加工事業に進出する。本社工場敷地内にラインを新設し、8月からの本格稼働を見据えている。

 パワー半導体は、モーターの電圧や電流を制御する部品。電気自動車や水素自動車、新幹線、家電などに幅広く使われており、国内市場は拡大傾向という。

 同社は、国内外の半導体メーカーから部品のメッキ加工を請け負う。基盤にメッキ加工して半導体チップを接合するためには、従来の加工のさらに100分の1となるナノレベルの高精度な処理が必要になるという。

 約5500万円投資し、750平方メートルの新加工ラインを増設。エックス線膜圧機などの検査機を備え、微細なほこりを除去するクリーンルームも造った。当面、月産5万個の半導体加工を目指すが、来年度は約1億円を追加投資してラインを拡充、月産10万個にする展望を描いている。

 この事業は2014年4月の開始を予定していたが、取引予定先から高度な安全基準を求められ、工場設備の監査や製品サンプル製作などに2年間を要した。

 同社の2016年5月期決算の売上高は約5億3千万円。パワー半導体事業を軌道に乗せ、同じく新事業として取り組む医療用ナノ部品製造により、5年後の売上高8~10億円を目指す。田口社長は「パワー半導体事業を新たな柱にしたい」と力を込める。

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