佐賀県地域産業支援センターが2016年度に受けた「下請けいじめ」の相談件数は前年比8件減の9件で、過去最少となった。発注企業の優先的地位の乱用を禁じた「下請法」への理解が進んだとみられる一方で、取引先との関係性を維持するため相談を控える傾向もあるようだ。

 相談は新規が8件で、このうち1件を無料の弁護士相談につないだ。業種別では建設が3件、製造3件、小売2件だった。

 最も多かった相談が「代金未払い」の4件。建設業者が「工事完了後に請負額を値切られた」、電気関連業者が「修理の途中で別の業者に交代させられ、それまでの経費の支払いを拒否された」ケースなどが寄せられた。このほか「買いたたき」が1件、「その他」が3件だった。

 同センターによると、公共工事の発注増、平準化などで建設業者の代金不払いや遅れの相談が減った。一方で、取引先との関係悪化を恐れて相談を控える事業者もいると指摘、「不当な扱いをされても泣き寝入りするケースが潜在化している可能性がある。注文書をもらって契約書を交わすことを徹底し、トラブルを防いで」と助言する。

 佐賀市の運輸業者は「荷主が以前より運送業者との関係を大切にしてくれる」としながらも、「車両維持費や安全対策、燃料高騰などを考えると運賃が適正とはいえない。ただ、都会に比べると、絶対的な運送量が少ないため値上げは言いづらくて…」と悩みを吐露する。同センターの担当者は「昨年度に始めた価格交渉のノウハウを教えるセミナーなどを利用してはどうか」と勧める。

 相談事業は「下請けかけ込み寺事業」と題し、全国中小企業取引振興協会が適正取引を目指して08年度に始めた。県内では同センターの専門相談員が対応している。電話0952(34)4416。

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