カジノ法が15日、成立した。ギャンブル依存症に向き合う県内の専門医や患者の家族は、依存症の増加や深刻化を懸念する一方、「これを機に、不十分な予防や治療の態勢を充実させるべき」と訴えた。

 ギャンブル依存症の専門治療を実施している肥前精神医療センター(神埼郡吉野ケ里町)では2015年度に17人、本年度は10月末までに9人が受診している。依存しているギャンブルはパチンコ・パチスロが8割で、残りは競馬、競艇などの公営賭博だ。

 武藤岳夫精神科医長は「ギャンブルが既にこんなに身近にあるのに、国はこれまで依存症対策に熱心ではなかった」と指摘する。

 ギャンブル依存症は欲求を抑えられない病気だが、社会に広く認知されているわけではない。そのため発見が遅れ、借金を背負いきれなくなって病院や相談機関に駆け込むケースが多いという。県精神保健福祉センター(小城市)の原かおる主任保健師は「ギャンブル依存症に注目が集まったことを好機と捉え、国がきちんと予算を付けて対策を取ってほしい」と求める。

 ギャンブル依存症患者の家族らでつくる自助グループ「ギャマノン佐賀」に通う女性(57)は「ギャンブル依存は患者だけでなく、家族ら周りの人たちも巻き込んで不幸になる」と指摘、カジノ法を問題視した上で注文する。「カジノをつくりたいのなら、収益の一部を依存症対策に回すような仕組みをつくり、全く足りない専門医の育成や、専門病院、回復施設の増設に力を入れてほしい」

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