天領日田は元気だ。たそがれ時の三隅川に浮かび上がる屋形船と旅館街

 筑後川の上流で、盆地に幾つもの川が集まり「水郷」と呼ばれる日田市。7月5日の福岡・大分豪雨では、市北部の山間地を中心に濁流が暴れ、集落や農地を襲った。

 市を挙げて復旧・復興に歩み出したが、市街地を流れる三隈川の周辺はほとんど被害がなかった。夏休みシーズンに入り、名物の屋形船が夕暮れの川面に浮かぶ風景は何ら変わっていない。地元では「遊船(ゆうせん)」とも呼ばれ、川沿いに並ぶ日田温泉の旅館・ホテルが営む。現在は6軒が計35隻を所有する。

 旅館街の辺りは川幅約200メートルでゆったりした流れ。屋形船は竹ざおを操る船頭に導かれ、ゆっくりと川を巡る。客は船からの景色と宿が提供する料理を楽しむという趣向だ。

 「川船に乗って会席料理を食べられるのは日田ならでは。川の恵みのアユをはじめ地元の食材、お酒を楽しめるよう心掛けている」。日田旅館組合の諫山吉晴組合長(68)=みくまホテル社長=は胸を張る。

 日田特有の猛暑に見舞われた日の夕方、屋形船に乗ってこぎ出すと、船上では吹き抜ける風が暑さを和らげた。夕闇が訪れ、船の軒に下がるちょうちんと旅館街の明かりが水面(みなも)に映り、情趣を増した。

 日田観光は元気に“営業中”。市観光協会の黒木陽介営業企画事業部長(40)は「日田の夏の風物詩を存分に楽しんでもらいたい。安心して遊びに来て」とアピールしている。(大分合同新聞日田支社・木本崇) 

=おわり

 メモ 屋形船は通年営業だが、やはりシーズンは鵜(う)飼いの観賞ができる5月下旬~10月末。問い合わせは日田旅館組合、電話0973(22)2062)。市観光協会(電話0973・22・2036)は気軽な日帰りプランを販売する(1人7560円)。

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