杵藤地区消防本部から表彰された香月亮・国立病院機構嬉野医療センター麻酔科部長(中央)と、香月医師の指導を受け、実習を終えた杵藤地区消防本部の山下隆治さん(右)と一丸貴史さん=3日、嬉野市の国立病院機構嬉野医療センター

 全身麻酔患者への挿管実習が壁となり、救急救命士の気管挿管認定は地域差が生じ始めている。実習受け入れを中断する認定医療機関もある中、受け入れの筆頭となっているのは嬉野市の国立病院機構嬉野医療センター。麻酔科部長の香月亮医師(43)はこれまで再教育実習も含め、40人を指導した実績がある。

 香月医師の指導で実習を終えた認定救急救命士は、杵藤地区消防本部の22人と伊万里・有田消防本部の16人。7月には新たに杵藤地区の2人が実習を終え、認定を控えている。その功労で、杵藤地区消防本部から表彰も受けた。

 香月医師から実習を受ける救急救命士は1カ月間、同センターに通勤し、毎週10症例前後を経験する。認定後も2年に一度は3日間の再教育実習を受け、技術の維持に努めている。

 認定取得後も救急搬送時は無線による医師のサポートが必要だが、救急救命士と同センター麻酔科の医師は定例的な親睦会で常に「顔の見える関係」をつくるよう意識。円滑なサポートにつなげているという。

 香月医師は「実習生が不具合を起こすリスクは医師も負う。また手術前、実習協力への同意を患者から得るにも、気管挿管実習の必要性や安全性の説明まで不可欠で、1人あたり30分はかかる。それを手間と感じてしまえば受け入れられない」と、実習に伴う労力を説明。その上で「救急現場から病院まで距離がある地域ほど、気管挿管は重要」と述べ、地域性も踏まえて認定救急救命士の必要性を指摘する。

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