■旅館は最善の一時避難所

 熊本地震の本震後、佐賀県旅館ホテル生活衛生同業組合の理事長(当時)として、県内の旅館やホテルに被災者を受け入れた。6月末までに、県内51カ所の旅館やホテルに792人が延べ1778泊した。

 「4月16日にフェイスブックで受け入れを表明し、宿泊費は全額公費で賄ってもらえるように国や県と調整を進めたんです。事務局の嬉野温泉旅館組合には申し込みが殺到し、4日目に一時中断するほどだった。利用者からお礼のメールが届き、職員も取り組みの意義を感じていたようです」

 東日本大震災でも、全国組織の顧問として受け入れを指揮した経験がある。

 「二つの地震での反響から、『泊』『食』『浴』の機能を兼ね備える旅館は、仮設住宅ができるまでの最善の一時避難所だと再認識しました。全国の旅館はこれからも、緊急時の社会的使命として被災者を受け入れてほしいですね」

 佐賀嬉野バリアフリーツアーセンターの会長として、障害者や高齢者の受け入れには気を配っている。

 「かつてバリアフリーの部屋を高層階につくりましたが、災害時に外へ避難することを考えれば、1階にすべきでした。すべての宿泊客が素早く避難することまで考えたバリアフリーも、これからの旅館が持つべき視点だと思います」

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