政府が3月に策定した働き方改革実行計画を受け、厚生労働省労働政策審議会の分科会は5日、残業時間の上限規制に関する報告書をまとめた。年合計で720時間以内に収め、罰則により強制力を持たせる。厚労省は労働基準法などの改正案作成に着手、秋の臨時国会にも提出したい考えだ。周知期間を経て、早ければ2019年4月の施行を目指す。

 年720時間の上限には、休日労働が含まれないため「抜け穴」との指摘がある。報告書は「休日労働をできるだけ抑制するように努めなければならない」との内容を盛り込んだ指針を作るよう提言した。

 菅義偉官房長官は5日の記者会見で、有給休暇の取得増に積極的に取り組む考えを示した。従来よりも年間で3日増を目標とし、18年度にも実施する方針。

 労政審の報告書は残業上限を特例でも年720時間とし、繁忙期で月100時間未満、2~6カ月の平均で80時間とするなど実行計画の内容を維持。これらは「過労死ライン」とされ、過労死した人の遺族は反発しているが、労使で合意していることもあり、これまで労政審の議論で反対意見は出ていない。自動車の運転業務や医師らへの適用が5年間猶予されることにも批判が出ているが、報告書にそのまま盛り込まれた。

 このほか健康確保措置として、希望者への医師の面談を義務付ける残業・休日労働時間を現行の月100時間超から80時間超まで引き下げるとした。【共同】

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