県内の大学や短大などに通う外国人留学生と県内企業との交流会。業務内容などを熱心に尋ねる学生の姿もあった=佐賀市の県国際交流プラザ

 佐賀県内の大学などに通う外国人留学生の県内就職を後押しする動きが出てきた。出身国とは異なる就職活動や採用試験の手順に戸惑う学生も多く、県国際交流協会などが企業と連携して支援に乗り出した。人手不足が深刻化している県内企業からは、優秀な人材の確保につながると歓迎の声も上がっている。

 「学校の指導を受けながら日本の友達と一緒に就職活動をしているけど、自分の国と違うことがあまりに多くて…」。佐賀女子短大(佐賀市)に留学中のベトナム人女子学生(22)は戸惑いを口にする。

 ベトナムでは1回の面接で採用の合否を決める企業が多いという。「日本は筆記試験にグループ、個人面接と3、4回も選考がある。日本で働きたいから頑張るけど、大丈夫かな」

 ◆履歴書指導まで

 日本学生支援機構によると、日本の大学や専門学校、日本語学校などに在籍する外国人留学生数は23万9千人(2016年5月1日現在)。国籍は中国やベトナムなどアジアが9割を占める。うち県内は546人で、大学などでつくる佐賀地域留学生等交流推進協議会によると、17年度は約40カ国から約600人の留学生を受け入れている。

 外国人留学生は県内でも増加傾向にある一方で、日本の企業に就職を希望する留学生への専門的なサポートはほとんどないのが現状だ。このため県国際交流協会は初めて計6回の就活セミナーを5~6月に開催。内容は服装などのマナーからビジネス用語の解説、履歴書の書き方、面接の受け方まで多岐にわたる。

 台湾出身で佐賀大学経済学部4年の男子学生(22)は「履歴書の書き方がためになった」。台湾の履歴書には自己PRの記入欄はないといい、「自分を振り返り、学生時代に頑張ったことを伝えるのが大切だと分かった」と振り返った。

 留学生にとって自国(地域)より高い交通費も悩みの種で、「大企業だと東京まで行かないといけない。就活でこんなにお金がかかるなんて…」とこぼした。

 ◆人材発掘に期待

 セミナーには延べ約30人の留学生が参加した。最終回は県内企業との交流会も開かれ、食品・機械メーカーなど17社の経営者や人事担当者が集まった。

 輸出拡大のため、中国語と英語が話せる人材を探しているという佐賀市の家具メーカー社長は「営業もできる優秀な人材は佐賀ではなかなか見つからない。こうした機会はありがたい」と歓迎する。今後の海外展開に備えて参加した神埼郡吉野ケ里町の機械メーカーは「技術を身に付けてもらい、進出先で指導もできる社員に育成できれば」と留学生の採用に積極的な姿勢を見せた。

 佐賀地域留学生等交流推進協議会は「これまで留学生向けの就職支援は各大学などで個別に行われている程度」とした上で、「地元企業の関心も高まっており、互いのニーズを把握しながら必要な支援につなげていきたい」と話す。

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