■女性と一緒に取り組んで

 この2月に男性不妊の講演を聴く機会がありました。不妊治療については泌尿器科でも扱うのですが、どちらかというと比較的限られた施設で行われているため、一般泌尿器科ではある程度の病状を調べてから適切な専門医療機関へご紹介することが主な仕事になります。

 現在、青年世代の6組に1組が不妊症で、実際に不妊症として医療機関を受診されたカップルを調べると、不妊の原因の半分は男性にあるのですが、いまだに不妊で悩むとまずは女性のほうが先に医療機関にかかる傾向があります。そのような経緯もあり、男性不妊の検査は泌尿器科よりも産婦人科で受けるほうが3倍程度多いのです。

 しかし、検査結果を聞くときには、産婦人科では女性単独で受診する例が半分弱、泌尿器科では6割程度が男性単独での受診となっていました。検査結果は男性の個人情報ですから男性単独での受診は理解できますが、いくら産婦人科に男性が入りにくいとはいっても、せめて一緒に聞いてほしいと、私は思います。

 また「精子力」の話もありました。一般的に35歳を境に精子の数や運動率は年々悪化していきます。「精子力を高める7カ条」というのがあり、禁煙する、禁欲はしない、ぴっちり下着を避ける(ブリーフよりもトランクスなど)、サウナや長風呂は控える、膝上でのパソコン操作に注意、自転車で股間を刺激しない(ハードなサイクリングをする場合は男性器付近の圧迫を避けるような乗り方を工夫する)、育毛剤に注意(男性ホルモンを抑える働きを持つ薬がある)、が紹介されていました。

 骨盤部の血流を改善させることはもちろんですが、精巣の造精機能は熱で低下しますので、これらの生活習慣は妊活には好ましくないとされています。心当たりのあるかたはまずこのあたりから始めていくのもよいかもしれません。(なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

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