村井 樹昭さん(71)

■「200年の森」地域の宝に

 全国的にも珍しい高樹齢の森づくりを目指す「200年の森」構想。町森林組合のトップとしてその先導役を担う。「先人の思いを受け継ぎ、みんなで森を育てたい。観光や癒やし、自然を大切にする気持ちを育む場として利用してほしい」と語る。

 幼少から山に親しんできた。地元の中学を卒業して農業や林業に携わり、1970年に町森林組合入り。山林所有者に代わり、75年からは自身を含む職員で枝打ちや間伐などの管理を担ってきた。町有林を含めた約4千ヘクタールで均質な山づくりに情熱を注ぎ、多良岳材は市場で高い評価を受けているという。

 森林は水資源の確保や二酸化炭素の削減、防災に役立つ。「適正に管理していけば、公益性は後からついてくる」との信念を抱く。

 ただ、国産木材の価格は1980年のピーク時に比べて3分の1と低迷。伐採や植林のサイクルが崩れ、森林の樹齢が上がるのを目の当たりにした。

 そこで高樹齢の森林の管理技術を確立し、地域活性化につなげようと、町などと一体となって委員会を発足。町有林のうち約50ヘクタールを「200年の森」とする構想を推進している。

 現在の樹齢は約40~50年。組合で6年に1度のペースで間伐しながら、150年後には1ヘクタール80~100本に減らす。樹齢200年のヒノキは直径1メートル、高さ40メートルに育つ見込みだ。

 木が高くなるほど風雪害の影響を受けやすく、これからの管理で強く育てられるかが鍵となる。若い職員には技術とともに、志も引き継いでいく。「まずは山を好きになること。地球環境を守っている森の大切さを知れば、おのずと誇りを持った仕事ができる」。後輩を見守る山人のまなざしは温かい。太良町多良。

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