厚生労働省が6日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、2016年の働く人1人当たりの給与総額(名目賃金)は月平均31万5372円で、前年より0・5%増えた。増加は3年連続。また、物価の影響を考慮した実質賃金は0・7%増で、5年ぶりのプラスだった。

 16年春闘で大企業を中心にベースアップ(ベア)が実施されたほか、16年の物価が下落したことが実質賃金の伸びを後押しした。

 給与の内訳は、基本給など所定内給与は0・2%増の24万267円、残業代など所定外給与は0・6%減って1万9468円。ボーナスなど特別に支払われた給与は2・0%増の5万5637円だった。

 給与総額を就業形態別に見ると、正社員などフルタイムで働く労働者は0・8%増の41万1788円、パートタイムで働く人は0・1%減の9万7670円だった。

 また、残業を含む1人当たりの年間の総実労働時間は1724時間で、比較可能な1990年以降、最も短くなった。働く人のうち高齢者などパートタイム労働者の割合が30・7%で、過去最大を更新したことが大きく影響した。

 同時に発表した16年12月の給与総額は前年同月と比べて0・1%増の54万4823円。一方で実質賃金は0・4%減で、1年ぶりのマイナスとなった。11月分が速報段階で0・2%のマイナスだったが、確報では横ばいに上方修正されていた。

 =ズーム= 

 ■毎月勤労統計調査 賃金や労働時間などの動向を把握するため、厚生労働省が毎月実施し、公表している。政府が「月例経済報告」で景気判断をする際の基礎データなどに活用される。調査対象は約3万3千事業所で、常時5人以上を雇用している事業所の中から抽出している。実質賃金の算出には、住宅関連の一部データを除いた消費者物価指数を使う。

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